富士ラウンドを終えて

ステップを一段上がった富士。次もまた一段上を目指す

第2戦富士が終わった。SUPER GTは開幕戦からずっと調子が出ず、不機嫌丸出し。チーム全体がグレーだったようで、関係者からも「ピットに近づきにくい」とか「雰囲気が悪い」とか言われるような状態だった。監督としてはなかなか明るい雰囲気を作ることができなくて反省しているが、どうしても気分が表情に出てしまい、そういった重苦しい感じになってしまったようだ。

今年は予選日の朝が大雨と濃霧になって、来ていたお客さんには気の毒な天候になったけれど、いやしかしそれにしてもたくさんのお客さんが来てくれてうれしくなった。決勝日は5万5,000人? 観戦するテントもかなり増えたしレースイベント全体をみんな楽しんでくれたようだ。だからそんな大事なお客さんにまた来てもらうためにも、もっとファンサービスをやらないといけないと思う。たとえばドライバー全員がスタンドからコースへ降りて来るとか、ファンとハイタッチするとか……そんな部分はプロ野球が上手にやっているから参考にすればいいと思う。目の前を走るクルマはもちろん格好いいけれど、クルマを運転するドライバーと触れ合うということだって大事だと思うよ。

今回は予選日朝の天候が良くなくて、公式練習は30分だし予選も20分のみ。時間がないのでドライバーはどちらかひとりに絞って走ることになった。だから今回はヤン(マーデンボロー)をアタッカーにした。ウチはヤンも佐々木も両方を育てなければならない。開幕戦は佐々木に予選を任せたから今度はヤンの番だった。まぁ予選では四輪脱輪でベストタイムを抹消されて8位から13位まで順位を下げることになったけれど、攻めていての失敗であれば怒らない。これを自分で理解して次にミスなく走ってくれればいいのだから。

レースはピット作業もうまくこなしてくれたし、ドライバーは随所でバトルをしてくれた。いいレースだったよ。できれば5番手あたりからスタートしていれば表彰台もいけたレースだったね。だから今回の6位という結果は表彰台に乗ったのと同じ価値がある内容だった。前にいるライバルたちを追いかけてそれを追い抜いたから、僕も熱くなれた。開幕戦は力のなさを感じていたから、上昇気流のステップを一段、いやもう一段上がったという感じだね。次の鈴鹿でもこのパフォーマンスを維持してもっと上のステップを目指すから、これまでの成績に懲りず応援をお願いしたい。

富士のレースを終えてから気分よく短い休暇をもらった。リフレッシュしたしスーパーフォーミュラでも勝ちを狙うし、SUPER GTでも何とか取り残されないように結果を残していきたいと思っている。

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