第8戦最終戦もてぎラウンドに向けて

怖いものは何もない最終戦で、
ライバルに一泡吹かせたい

東京モーターショーが始まった。今年はカルソニックカンセイさんのブースでトークショーを行うというので、いろんなことを話してきた。カルソニックカンセイさんのブースはシンプルな青と白の美しいデザインだし、リアルな未来キャビンやいろんな展示メニューに驚かされた。クルマの走り以外の部分はもうほとんど家電感覚。ウチのカルソニックIMPUL GT-Rも展示されてるし、ぜひ東館8ホールのブースを訪ねてほしいね。それにしても台風が来て天気も荒れているのに、大勢の人が会場に来ていてびっくりしたよ。まだまだクルマに対する興味があるのかな? そんな人たちを大事にしていかなきゃいけないよね。僕のトークショーは11月3日(祝・金)にも開催予定なので、覗きに来てもらえるとうれしいよ。

さて、SUPER GTのことなんだけど、タイではもう恥ずかしいミス(ガス欠)で表彰台が確実だったレースをふいにしてしまった。チームのミスは監督である僕の責任なので、帰国後は謝罪。もう謝るしかない。ちょっとレベルが低すぎて、本当に応援してくださる皆さんには申し訳ない内容になってしまった。ただスーパーフォーミュラ(SF)では明るい話題もあった。今年からSFとSUPER GTに新加入したヤン(マーデンボロー)がSF最終戦で初のポールポジションを獲った。台風のために決勝レースは中止になってしまって残念だったけれど、本人も自信がついたことだろう。ただちょっと時期的には遅い。シーズン中盤にはそんな活躍をしておかないと。彼の早さには磨きがかかってきているので、これからもぜひ注目して欲しい。

彼の速さはGTのSUGOのころから見え始めて後半戦、特にタイではポールポジション争いをするほど良くなっていた。ただね、ウェットレースになった決勝では、彼は(レインの)ハードタイヤを選んだ。ポールのTOM’Sは冷えた路面でもしっかりグリップするミディアムを選んでいた。もしウチもミディアムを選んでいたら、序盤にトップに立てたかもしれないね。ミディアムの方がタイヤが柔らかい分、タイヤの磨耗は早いんだけれど、路面はすぐに乾いてスリックに交換したんだから、あれはミディアムを選ぶべきだった。僕はそう思っていたんだけど、もうあれこれ言わずドライバーやエンジニアに任せているからね。でも、今年は僕の考え方が正解だったというレースがいくつかあった。だから来季は僕の考え方をアドバイスとして意見してみようかと思っているよ。そんな難しい判断は現役時代にいくらでも経験しているからね。

さてGT最終戦は、もうチャンピオンの権利もないし怖いものも失うものもない。もちろん戦闘力ではレクサス勢には劣るかもしれないけれど、思い切りやるしかないと思っているよ。ライバルに一泡吹かせたいよね。これまで安全策を取ってきたタイヤ選びも、もっとチャレンジしていいと思っているし。ぜひ現地もてぎで応援をよろしくお願いします!

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