開幕戦岡山ラウンドを振り返る

ヤンのデビュー戦は評価できる内容
例年どおりミスなく戦っていくよ

開幕戦は序盤からホンダ勢のトラブルもあって、勝手に順位が上がっていったけれど、後半はエンジンが吹けなくなるトラブルで離されてしまって8位という結果になった。僕らは毎年いつも一緒で、トップを取るんだ、トップを狙うんだという気持ちでレースをしている。だけどレクサスの活躍はスタート前から見えていたこと。テストの時から「いつになったらウェイトを降ろすんだ」なんて周囲から言われてきたけれど、いやこれが現状なんだよね。レクサスはとても仕上がりがいいよ。クルマのせいにするわけじゃないけれど、このままじゃ今年はダメだ。

スタートは新人のヤン(マーデンボロー)にやらせた。本人がそうさせてくれと言ってきたけど、もともとそういう作戦だったし、若くてこれから伸びてくれるドライバーだから場数を踏ませたかった。彼はGTだけじゃなくてスーパーフォーミュラも経験させて育てていきたい。頑張って頑張って早くトップドライバーになって欲しいし、そんな才能があると思うよ。あとは本人次第だね。GTのデビュー戦ではタイヤの違いはあったけれど、JP(オリベイラ)を1コーナーでかわすなど全体的にいいところを見せてくれたと評価している。

開幕前にカルソニックカンセイさんを訪ねて「今年は計算できないシーズンになります」と社長に伝えたよ。今年のクルマは空力はもう1年間いじれないし、エンジンも前半はすでに封印してあるし、明るい兆しはない状態。レクサス勢が一気にいっちゃうだろうね。だから計算が全くできないんだ。まぁ一年やっていれば、拾い物のレースというのもあるかもしれない。ウチだって去年は十分チャンピオン取れる体制だったのに、まさかのトラブルやミスが続いたしね。だから例年どおり、ミスなくペナルティを取られることなくコツコツと戦うことだよ。

シーズン半ばになってレクサス勢がハンディウェイトを積んで、日産やホンダにも上位入賞のチャンスが増えるだろう。だけど、「そんな時に頑張ります」とは言いたくない。対等に勝負をしたいし、今年はそれができないだろうから、今年はトーンも低いしコメントも少なくなると思う。やっぱり燃えて競争をしたいよ。競争のないレースなんてあり得ないしね。だから今年はGTでのイライラをスーパーフォーミュラで晴らしたいと思っている。トムスを相手にいいレースをしていきたいと思っているよ。

もちろんこれまで長くレースをやってきて、時にはストレスがたまるときもあったし、崩れそうになる時もある。でも、いつかいい時が来ると信じて戦っていく。そうそう。相変わらず健康的な生活を続けているせいか、糖尿の数値も少しずつ良くなっているよ。最近はずっと自宅の前を掃いたりしてるから、近所の子どもに”掃除のおじさん”なんて呼ばれている。健康が一番。あとは気持ち良く休みたいけれど、今年はちょっと厳しいかもしれないね。そんな一年になりそうだけど、ファンの応援はいつも感謝しています。これからも応援をよろしくお願いします!

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