鈴鹿1,000kmはマシンの調子も良く、JPは良くトップにくっついて2位を走り、安田も最後は飛び出して少し離れてしまったけれど、ピットインするまで2位を守った。逆転優勝のチャンスはあったし、表彰台獲得は堅いというレースのはずだった。だからオイルがマフラーにかかって火が出て止まらざるを得なくなった時は、もう何をしたらいいのか分からなくなってしまった。怒るべきなのか、でも怒っても元通りにはならない。愕然として7〜8周、15分ぐらい座り込んじゃったね。

もったいないというより残念、いや非常に残念としか言いようがない。残り3戦でどう挽回するかなんて考えずに、次のタイからはポイントなんて考えないで思い切り戦って優勝を狙っていくしかないね。やっぱりそれが星野らしさなんじゃないかと思う。去年は一度も勝てずにポイントを積み上げて最終戦までチャンピオン争いを展開したけど、戦い方がとても小さかった。僕の作戦じゃなかった。だから今年の最後の3レースは星野らしい走りをするから、楽しみにしておいてください。

それはそうと僕はここ何十年と風邪を引いたことがなく薬いらず。秘訣は何と聞かれるけど、やっぱり食事の量かな？　丈夫な身体に産んでくれた両親には感謝しているけど、僕の足って農耕馬みたいに太くてがっちりしてる。おまけに内視鏡で見てもらっても内臓は何も問題ない。来年は70歳になっちゃうんだけど、同じ年齢の人の倍の量を食べているからね。朝はパンにフルーツ。昼も夜も妻に作ってもらった多めの野菜と肉をしっかり食べる。肉も魚も大好きだけど、肉は週に6回でもOK。ガソリンを食うクルマはパワーがあるじゃない！ハイブリッドじゃダメだよね。

トレーニングというわけではないけれど、毎朝トレーニングマシンを使って5km/hで30分だから2.5kmぐらい早歩きをしている。歩いている間はテレビを見てニュースや情報を仕入れる。雨の日だって運動できるのがいいよ。

お酒は全く飲まない。あんなおいしくないもの、飲まないよ。だけどタバコをやめるまでは本当に苦労した。1日に4〜5箱吸ってたのをやめるって決心したんだから、徹底したよ。家をリフォームして吸えない状況を作ったし、もうきつかったけどね。チャンピオンになると言ったらそうなるために自分を磨く。参考書なんてないんだし、自分でひとつひとつ努力してやっていく。意志を貫く、それひとつなんだ。人が見てもそうだろうし自分でもそう思うけれど、ムチャクチャすることが星野流。集中してひとつのことに向かう。あと10年ぐらいで監督も全部引退だなんて言ってたけど、貪欲な人間だから止められないんだろうなぁ。まぁそんなムチャクチャな人間がひとりぐらいいてもいいでしょ？