足りないものは運だけ

SUGOでは、35歳になったJPと共にカルソニックカンセイさんから恒例のバースデイイベントをやってもらって、ありがたいよね。以前はレース日程の関係で、マレーシアのピット裏で若手ドライバーやマスコミの方に集まってもらったんだけど、今年は仙台のファンにも祝ってもらった。感謝しています。もう喜んでいるような年齢ではないんだけれど、いつまでも気持ちは35歳であり続けたい!

先週は悲しい知らせが届いた。若いころからずっと僕のことを撮り続けてくれた泉ちゃん(岩田泉氏)が亡くなった。元々油絵を描いていたんだけど、地元にサーキットができて筆をカメラに持ち替えて撮ってくれた。年齢もひとつかふたつ年下だったこともあってプライベートでも仲良くしていたよ。しかし若い時から全然年を取らない人だったね。いい写真やいい本を残してくれてありがとうと言いたいよ。本当に残念だけど……。ご冥福をお祈りします。

SUGOの話に戻るけど、まずは予選。セッション後半ほどタイムが出やすいというセオリーどおりにコースインして、結果的にはGT-Rは全車がQ1落ち。安田はギリギリだったんだけど、赤旗が出されて2秒後に出したタイムだったから、6位のタイムが抹消されて13位になった。そして決勝レース前のフリー走行を終えて戻ろうとした時にプロペラシャフトを折ってしまった。メカニックたちが懸命の作業でピットスタートまでには間に合わせたけれど、もうああなると後半JPがプッシュプッシュとなるから、あんな結果になってしまった。全体の空気で追い込んでしまった。そんな予感はあったんだ。何かが噛み合わなかったね。すべてが外れていった。レースを何十年も経験していると、分かるんだよね。セオリーや計算じゃ説明できないレースになることが。

最後に必要なのは「運」。運が良ければ予選で早めにコースインしてポールポジション取って、プロペラシャフトも折れず接触もなく優勝していただろう。それを引き寄せるには何かをやらないと。どこかに落ちてないかな? どこかに売ってないかな? 勝つための道具は全部そろっているし、富士でも軽いままだから何とかと思ってるよ。長いシリーズだしどこかでいくつか勝てるということは分かっている。まぁ焦ってもしょうがないから、最善を尽くす。そうすれば自ずと結果はついてくるものだよ。富士もSUGOも全然くよくよしていないよ。結果が良ければ大喜びするし、ダメだったら機嫌が悪くなる。それが星野だということかな。富士から先は運を味方につけて大騒ぎできるよう頑張るから、ぜひスタンドやコースサイドから応援をよろしくお願いします!

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