第7戦オートポリスラウンドを振り返る

いよいよ最終決戦、思い切ってやるよ!

最終戦。いよいよ来るところまで来たなという感じだね。オートポリスでは優勝するつもりだったから、結果は悔しいよ。ぶつけたぶつけられたというのは、机に座ってる連中がいろいろ言っても始まらない。ハンドルを握っているドライバーが1対1の勝負をしたわけだ。昔のF1のセナとプロストの対決みたいなものであって、レースは競争なんだ。表現は悪いかもしれないけれど、まさに喧嘩みたいなもの。現場やテレビで見ていた人もすごくエキサイトしたでしょ。それがレース。まぁ安田はコースへ出て行った周のタイヤの温まり方が遅かったね。

野球だって誤審があっても審判の判断に従うでしょ。最近はホームランこそビデオ判定とかやってるけど、今の技術からすればストライクボールの判定だって、コンピュータでできちゃうんだろうけど、やはり人間と人間の勝負を人間が裁くというのがスポーツだと思うんだよね。だから判定に関しては文句も言わなかったよ。

ドライバーたちはレースを終えて涙を流した。悔しかっただろう。レース後にライバルとは言葉もかわしていないと思う。僕だって長谷見さんと戦っている時は一言も口を利かなかった。北野(元)さんも高橋(国光)さんとそうだったし、巨人のV9時代は王と長嶋だって普段はそうだったと思うよ。

僕もレースが終わって悔しくて泣いてしまった。でも僕が現役の頃は次は絶対に借りを返すって思っていたからね。もちろんレギュレーションや規則はきっちりと守ってだよ。僕が現役でトップ争いをしていた時は、僕の中から危ないオーラが出ていて、うかつに近寄れなかったってライバルから言われたもの。熱いフェロモンを出して、近寄ると危ないぞって思わせないと。それは長い年月をかけて自分で作っていかないとね。

スタッフもすごく意識し過ぎたから小さくなっちゃったかもしれないね。そこは反省して、最終戦はキチッとウチらしいレースをする。最終戦を前にミーティングをして、タイヤ選びもしっかり行った。今ある材料でベストというものをそろえた。週末は雨っぽいという予報だけど、そこも考えて準備はすべて整った。

ポイントリーダーなのだから1号車より前でチェッカーを受ければいいわけだけど、最終戦は全車ハンディなしの戦いだから実力があれば勝てるし劣っていたら負け。天気のこともあるから、もちろん運不運というのもあるだろう。38号車のことも意識するけど、ブリヂストンとミシュランというタイヤの戦いもあるから、ドライバー同士はかなり意識するだろう。最近のF1って予選も決勝もどうせハミルトンかロズベルグだろうっていうことになっちゃって、本当につまらないよね。でもSUPER GTは最後の最後までエキサイティングだと思う。

とにかく結果を見てほしい。ちょっと弱音も出しそうになる時もあるし今年は1回も勝ってないけど、シリーズをリードしているのはウチ。思い切ってやるだけ。スタンドで応援してくれるファンに満足してもらえるようなレースで今年を締めたいね!

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