第5戦鈴鹿ラウンドを振り返る

3位表彰台でポイントリーダー堅守!苦しいけど頑張るよ

鈴鹿1000kmに入る前は、燃料リストリクター装着でハンディウェイトも搭載してるので、パワーがなくて思うように走れないしみんなイライラしていたよね。だけどミーティングで、我慢しながらでも結果を残せるようなセッティングを出していこうという方向性だった。僕個人としてはホンダがもっと来ると思っていたし、実際序盤はホンダが速さを見せた。だけどトラブルやペナルティ、避けられないアクシデント……ホントに僕らは運がいいね。チャンスをモノにして3位表彰台なんだから。運も実力のうちだなんて言うけど、SUPER GTの戦い方はまだ良く分かっていなくて、ずっと緊張しているよ。

予選では安田が頑張った。ベストタイムを出した次の周でコースから飛び出しちゃったけど、飛び出すぐらいまで頑張らないといけないよ。安田はいつも「JPが速い」と言ってるけど、でもその時点で負けている。安田はウチのチームを踏み台にしてもっと成長して欲しいんだ。 「カルソニックカンセイのイメージを一歩上げられるのはもうお前しかいないんだから、精神的に這い上がれないならもうやめてしまえ」って本人には言っているよ。それは安田のことがかわいいから言っているんだ。僕の時代には誰もそんなこと言ってくれる人はいなかった。「どんな外国人ドライバーが来ようと絶対に自分のシートは渡さないぞ」ってアピールしてくれなきゃね。

だから安田が決勝の2回目のスティントでラジエターのクーラントが漏れている時も、無線であれこれ言わなくていいから集中して走っていろってね。本当に走れなくなってピットインするとか途中で止まっちゃうまで、全力で走れって言いたかったね。僕が100%で走っていた時は運転に集中していたから、途中でピットから無線が入っても「うるさい!」って言っていたよ。ひとりでアタックしている時は速いのだから、レースでもその速さを常に見せてほしいね。

実はね、今年JPはずっとサンパウロに帰ってるんだ。今日本で乗っているのは親戚のそっくりさん。去年までのJPだったらこんな結果残せていないでしょ? どこかで飛び出してどこかで接触して……。でもこのそっくりさんは日本のレースのことを良く理解してくれていて、ストレスの塊みたいなになっちゃってんだけど、時々JPみたいな速さを見せながらよく我慢して頑張っているよ。今年はチャンピオンが決まるまでそっくりさんにお願いすることにしてる。だって本物のJPがレースに出たら、分かるでしょ? それはそれでワクワクドキドキ夢中になるんだけどね。

そういえば鈴鹿でCALSONIC TEAM IMPULのピットは見てくれたかな? メカニックがタイヤの上に座って弁当食べてるような姿を見せてはいけないよね。そんなんじゃ町工場みたいじゃない。だからもっと注目を浴びるように工具やメカニックのウェアも新調したい。カルソニックカンセイが格好いいというイメージを作りたいし、もっと速いところを見せたいよね。今年もSUGO入りする日は、カルソニックカンセイさんの福島のグループ会社にお邪魔して、トークショーやサイン会をして触れ合うんだけど、皆さんが一緒になって戦ってくれるという熱いものを感じることができて本当にうれしいよ。社員一丸となって応援してくれるという気持ちが僕たちを奮い立たせてくれるね。

実際SUGOでは燃料リストリクターとウェイトで苦戦するだろうね。ファンの皆さんには情けない姿をお見せすることになるかもしれない。だけど、魔物が棲むとか言われているサーキットで最後まで生き残って結果を出す。絶対にポイントを取る。そんなんじゃ「最初から最後まで全開!」という星野らしくないって? 実は監督も今年は星野の親戚がやってるんだよ。そういうわけで、応援をよろしくお願いします!

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