開幕戦岡山ラウンドを振り返る

岡山の結果はキッパリ忘れて
富士に向けてギラギラしているよ

開幕戦に関しては、シーズンオフのテストからライバルメーカーとの腹の探り合いで、相手の搭載しているウェイトも分からない状態だったけれど、我々はウェットでもドライでもどっちもいけるという感触をつかんでいたし、天気予報からもウェットになりそうだという意識はしていた。

土曜朝の公式練習では、タイヤの皮むきをし始めた直後に火が出ていきなり予選はぶっつけになってしまったけれど、JPが4番手のタイムを出してくれた。だけど最終コーナーの四輪脱輪でそのタイムは無効になっちゃって、結果的には8位スタートということになった。火がついた後はメカニックらスタッフが素晴らしい仕事でクルマを元に戻してくれて、本当にありがとうという気持ちがあったし、僕もホッとしたね。

スタートはレインタイヤで行ったけれど、安田はちょっと慎重になりすぎたのか遅れてしまった。でもそこから4位まで追い上げてJPに代わったんだけれど、タイヤ選択は賭けだったよね。雨は上がるという情報もあったし、博打を打つ必要はなかったからハードタイヤで出ていった。ミディアムタイヤだとブロックが壊れてしまうだろうという不安もあったし。まぁこれは野球のチャンス時に堅くスクイズをやるか、打たせるかという作戦みたいなもので、結果的には非常に残念だったね。でもたとえ優勝できなくても、ポイントはひとつでも多く取っておこうということで、とりあえずはGT-R勢の最上位7位でゴール。GTはポイントを重ねることが大事だから。

ドライバーについては、安田は非常に細かいことまでつかめるということがすごくいい。ただ走り屋のプロを極めるのであれば、もっと上を目指してもらわないといけないだろう。その点JPは肉食系というか、細かい部分を気にしない走りを見せてくれる。ただ今回の骨折はプロとしての自己管理ができなかったということ。本人は日産から契約を切られてしまうんじゃないかと怯えていたんだけれど、とにかく早く治せ! それに手術する方が早く治るんだったら手術して来いと言った。そんな契約に不安を持つようだったらドライバー辞めてサンパウロに帰った方がいい。そんな暇があったらレースをシミュレーションしておけ。オレが話を付けてくるし、最善を尽くすのがオレの仕事なんだって。そういうことだよね。

次の富士は毎年調子が良いレースだし、ウェイトも軽いから上位を狙っていくつもりだよ。岡山のレースのことはもうキッパリ忘れてしまった。改めてゼロからチャレンジする気持ちで戦うよ。もう気持ちは富士のレースに傾いている。この歳になってもまだギラギラしてるんだよね。やっぱり自分はレース馬鹿だなと思うけれど、とても楽しみだし今年も表彰台の下でドライバーにキスができたらいいね!

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