7月18日、SUPER GT第4戦SUGOラウンドの前日に、TEAM IMPUL星野一義監督がカルソニックカンセイ岩手(岩手県北上市)を訪問。開発陣を中心としたスタッフからエアコンのコンプレッサーについての技術的な解説を受けた。また工場見学の後には熱烈な星野ファンである社員との触れ合いを楽しんだ。

カルソニックカンセイ岩手はカルソニックカンセイの100%子会社で、7,000坪の広大な敷地において220名のスタッフがカーエアコンのコンプレッサー製造に携わっている。ここはカーエアコンのコンプレッサー製造専門の会社であり、世界最小のユニットを製造できるオンリーワンの事業所。現在SUPER GTで使用されているエアコンの開発を担った拠点でもある。この日は高木愼一カルソニックカンセイ岩手社長以下、全管理職が星野監督を出迎えた。経営陣、管理職の自己紹介の後、星野監督は「TEAM IMPULの星野です。30数年お世話になっています」とあいさつした。

続いてコンプレッサーの説明を受けた星野監督は「僕の時代にもエアコンが欲しかった。R32 GT-Rで戦ったグループA の時代なんて、エキゾーストパイプの熱でバルクヘッド(隔壁)がオレンジ色をしてた。まるで焼き網の脇で格闘してたようなもので、今の時代はいい環境です」と苦笑。翌日から始まるSUGOラウンドに関しては、「ポイントリーダーということでウェイトを積んで、燃料のリストリクターも装着しなければならないのでレース展開的には厳しい。できれば車両の性能差が出にくい大雨になってくれないかな」と周囲を笑わせた。

またレース用のエアコンは、コクピット全体を冷やすものではなく、伸びた3つのホースのひとつは冷気をシートに通し空けられた小さな穴から背中を冷やし、ひとつはヘルメット内に冷気を通して頭部を冷やし、そしてもうひとつは口元に冷気を送り体内から身体を冷やすもので、非常に効率が良いことも説明された。

また続いて行われたレースファンを中心とした社員との触れ合いイベントでも星野監督は、「僕はカルソニックカンセイが『日本ラヂヱーター』と言ってた時代からご縁があって、『ニチラ』の時代を経て『カルソニック』、そして『カルソニックカンセイ』とずっと可愛がってもらってきました。今年はチャンピオンを獲るにはとても良いチャンスです。何かお返しすると言っても金銭的には返せないけれど、チャンピオンというタイトルを獲って、カルソニックカンセイのエアコンが日本一のエアコンだとアピールできるよう頑張っていきたい」と会場を盛り上げた。同時にサイン会や星野監督との撮影会も行われ、従業員も大いに満足した様子だった。

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