ベダ・ボルゼニウス

MARELLIグループ
社長兼グループCEO
ベダ・ボルゼニウス

新しい夜明け:自動車業界、そして、MARELLI

自動車産業は、かつてない変革期の中にいます。環境への配慮に後押しされた技術の進歩と消費者需要の変化に伴い、サステナブルで社会的責任に応えるクルマの開発が進められています。私たちは、グローバルな自動車関連サプライヤーとして、持続可能な社会の実現、自動車産業の変革に貢献できるよう、世界をリードするイノベーションとモノづくりに情熱を持って取り組んでいます。

カルソニックカンセイとマニエッティ・マレリは、2019年、サステナブルなビジネス成長を目的に統合しMARELLI(マレリ)として新しいスタートをきりました。統合会社は、総売上高約146億ユーロ(約1兆8,250億円*1)となり、独立系自動車関連サプライヤーとしては世界有数の規模を誇ります。

統合により、両社のリソースを共有し、世界的な影響力を強めることができます。また、両社にとって統合は相互補完的な展開であり、各地域でのプレゼンスと製品ラインナップを最大化できるようになります。

この新たなチャンスを活かし、真のグローバルプレイヤーとしての責任を果たすため、私たちは自社の独立性と、変化の激しい市場環境および社会からの新たな期待に対する高い適応性を、世界に向けて示さなくてはなりません。ひとつのグローバルブランドのもとで両社のシナジーを発揮することで、将来の世界市場とサステナブルな暮らしにおける中心的企業となる大きな可能性があるのです。

サステナビリティ意識向上に伴う、新しいクルマ需要

変革中心にあるのは自動車業界のトレンドである「CASE」(コネクテッド(Connected)、自動運転(Autonomous)、シェアリング(Shared)、電動化(Electric))です。CO2排出を原因とする気候変動への対策のニーズなど、サステナビリティに対する意識の高まりにより、自動車の目的・価値・利用に関する消費者の考え方は変化してきています。また、シェアリングやコネクテッドモビリティへの需要も増加しています。

こうした動きのうち、消費者の行動に最も影響が大きいのがサステナビリティ意識です。自動車の購入や利用だけではなく、毎日の生活にもその影響は及んでいます。サステナビリティは、公的機関・ビジネス・社会の幅広い方針や実務でも最重要事項になりつつあります。

製品ポートフォリオ・設計・技術でサステナビリティを牽引

私たちは、CASEモビリティのニーズに伴う業界の発展と変化に充分に対応できると考えています。今後きわめて重要となる領域において競争力の高い製品ラインを有しており、この製品ラインの高い柔軟性と専門性は、今後の変化にも対応していけるものです。

業界トレンドの中で、特に勢いを増していくと確信しているのは、パワートレインの電動化とゼロエミッション車の追求です。この動きが速ければ速いほど、私たちはサステナブルな社会の実現により大きく貢献することができます。そして、幅広い製品ポートフォリオと適用可能な多数の技術によって、この変革をリードできます。

自動運転も、今後加速する可能性が高い重要なトレンドです。私たちは、最先端技術、人間中心の設計、包括的なシステムソリューションを通じて、さまざまなニーズや好みに応じた安全で快適な自動運転の実現をサポートできます。安全関連技術も欠かせないものになるでしょう。

グローバルな存在感を活かし、グリーン化の先駆的存在に

当グループは世界中に製造工場を持っており、製造業という立場からサステナビリティの向上に多大な貢献ができると思っています。

何よりも必要なのは、購買や物流によるモノも含めた環境パフォーマンスをどのように向上していくか、明確なビジョンと実施プログラムを持つことが大切です。環境フットプリントの低減は、私たちが担う最も重要な責任のひとつであると同時に、最も貢献できる取り組みでもあります。こうしたことから、私たちは2018年から環境戦略を打ち出し、気候変動・資源循環・資源の効率化・汚染物質の低減・エコシステムの保護などの分野で、2030年までに達成する目標を定めています。

CO2排出と気候変動への影響は自動車業界のみならず、人類にとっても喫緊の課題であると同時に、この課題への対応はステークホルダーの皆さまにとっても重大な関心事です。

いま、サステナビリティは政治の新たな優先事項として、世界中の社会制度にも影響を及ぼす可能性があると考えられます。私たちの成長戦略と考え方にも、この点を取り入れなければなりません。環境とのかかわり、人と人とのかかわりにおけるこれらの変化は、世界の自動車市場において今後の勝者と敗者を分かつことになる、イノベーションの新たな原動力だと思います。

サステナブルなモビリティ社会を実現

私たちは、オピニオンリーダーにならなくてはなりません。そのためには、社内外に向けて、ビジョンと将来の方向性を明確に伝える必要があります。サステナビリティは、グループの戦略で急速に重要になってきた領域です。私たちが描くビジョン、設定するターゲット、実施する計画は、社会で必要とされる抜本的な変化に向けてどのように貢献していこうとしているかを示す、重要な道しるべとなるでしょう。

私たちは2017年から、「持続可能な開発目標(SDGs)」を自社のCSR活動とリンクさせてきました。特に重点を置いているのは、目標3.すべての人に健康と福祉を、7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに、8.働きがいも経済成長も、9.産業と技術革新の基盤をつくろう、11.住み続けられるまちづくりを、12.つくる責任つかう責任、13.気候変動に具体的な対策を、です。国連では、これらのゴール達成に向けた充実したアプローチを打ち出しています。しかし、新たなMARELLIグループおよび自動車業界の変革により、私たちは競争力を維持しながら社会に貢献するため、今以上にできることは何かを追求しなくてはなりません。

グループのグローバルな成長戦略と、より安全でクリーンなゼロエミッション車への転換は、両立できると確信しています。大きな期待を持って、ともに働く仲間たち、ビジネスパートナー、お客様、そして社会と、このメッセージを共有したいと考えています。私たちは、製造プロセスにおけるイノベーションを継続して推し進め、最先端の環境パフォーマンスを実現していきます。そして、世界のよりサステナブルなモビリティの実現に貢献する製品とサービスでビジネスを成長させていきます。

*1 2018年度の数値に基づき、1ユーロ≒125円で換算。

SDGsへの貢献

SDGsへの貢献